76歳にして健康そのもの
(YKさん)
2013/9月

今から約40年前、職場の友人から借りた一冊の本、「くすりのいらない健康法」(森下敬一著)。題名にひかれ読み進むうちに、それまでの肉食過多、砂糖漬けの私の食生活が誤りであったことに気づかされ、即改善!!と意気込んだのですが、当時は実母に家事をまかせていましたので実践できませんでした。

21年前、退職を機にはじめて岡田先生の講座を受けました。

今年は3度目の基礎講座を受けています。

自然食の先生ですから、作務衣、髪はひきつめ、お化粧なしの方を想像してましたが、お会いすると、ピンクのエプロンがよくお似合いのチャーミングな先生で イメージとは全く異なり意外でした。


恭子注:これはよく言われます。
私のモットーは、「妥協せよ妥協せよ」(「岡田恭子のハッピーマクロっビオティック教室」)なので…

というより、西洋医学も否定せず、マクロビオティックすらも、100%完全とも思っていないので、やれるところからやりましょう、という姿勢なのです。


そんなチャーミングな先生ですが、料理のみならず、所作全般に亘って、大変厳しく、ルーズな生活になじんだ私は、毎回、緊張して臨んでいます。このお教室を「禅宗 岡田派修業道場」とひそかにお呼びしています。

恭子注:はい、よくそういわれます。
自分を変えて、特に食生活を変えて、病気を治していくのは結構厳しいものなのです


今までの印象に残った事柄や話を書かせていただきます。

◎流しの排水口の網がピカピカ。

◎包丁は神聖なもの。一滴の水も残さずに拭き取ること。木の柄は、継ぎ目の所が腐りやすいので特にていねいに拭き取ること。右手を濡らしたまま握ってはダメ。

恭子注:「料理上手は、道具を大切にすることから。とりわけ、包丁は料理人の命」と言って、道具を大切にすることを皆さんにご注意します

◎調理台は聖域。少しの汚れもないように、余計のものは置かないこと。

◎まな板と包丁はきちんと真横に置く。(包丁の置き方は意識してないと斜めに置いてしまうので、習慣づけようと、家で斜め置きした回数を、正の字で数えましたが、多すぎて止めました。中々身につきません。)

恭子注:この置き方は、危険防止のためです。
でも、なによりも、76歳というご高齢にもかかわらず、学ぼうという謙虚な姿勢に、感激します。
実際は、とても博識で、さすが、年の功で、「知恵」を一杯お持ちの方で私達に、知恵を披露してくださいます。


◎包丁は手前からスパッとまな板の向う側につきだして切り、突き出た部分は空中に浮かすように。

◎箸は縦、垂直にもって器の正面から盛りつける。

◎食器をうごかすときは引きずらないこと。(食堂やレストランで周囲を廻わすと殆どの人がひきずっており、お教室で注意されたことを有難く思ってます)

恭子注:まあ、あまり、作法をうるさく言うのも何ですが、漆のよい卓などの上で、器を引きずると、傷がつきます。お茶の作法では、器は引きずらないように、と注意されるのは、器を大切にするこころ、なのです。
窮屈にならずに、器をめでる、やさしいこころ、でいれば、うるさい作法ではないのです


◎生徒のひとりが食器を落として割った時、先生はその人を咎めず「ごみの清掃員の方が怪我をしないようにお祈りして(配慮した包み方で)片づけて下さい」とおっしゃったその言葉に感動し心に焼き付いています。

厳しさの中にも優しさと思いやりに包まれたこのお教室は料理以外にも、多々学ばせていただき、幸せに思っております。

食養難しく、妥協せよ!妥協せよ!に甘んじ余り褒められたものではありません。

ズボラな私ですが、半断食(「岡田恭子のハッピーマクロビオティック教室」28ページ)を3週間致しました。

はじめのうちは、けんちん汁の具を切るのに物差しをあてていましたが、5日経った頃から、正確な厚さに切れるようになりました。

「為せば成る」を実感。不器用者の私でも上手く出来たのは練習の結果で、数を踏むことの大切さを知りました。

半断食は予想以上の効果があり、奇蹟が起きたかのようでした。

◎朝寝坊で目覚まし時計が鳴っても布団の中で30分もモゾモゾしていたのが、すっきりした気分で早起きができ、朝日に礼拝するようになった。
朝刊を読む時間が出来た。

◎心身ともに軽く、動作が機敏になり、憂鬱なことが減ってきた。良いことの連鎖でこの状態を続けようと思ったのも束の間、日が経つにつれ、元のだらしない生活に戻ってしまいました。

恭子注:そうなんですよ。半断食をすると、身体の毒素が排毒され、きれいな血液状態になると、朝日とともに目が覚め、目が覚めると同時にすぐ機敏に動けるようになるのです。一度はこの快適さを経験していただきたいと思います

ここ2週間ばかりは、外食を除いては自然食に近い食事をしています。

外食は悩みでもありますが、楽しみでもあります。親しい友だちとのランチやディナーコンサート、御稽古ごとの親睦会でご馳走の多かった日は、家では玄米、みそ汁、おかず少々にして調整してます。

恭子注:これこそが、私が皆さんに体得していただきたい「知恵」です。
とりたてて、悪い病気があるわけではないこの方の場合、こんなふうに外食も楽しんでいただきたい、と思っています。そして、外食後、粗食にして、調整する、これが理想です。

最近は、身体が肉類を受け付けなくなり、年のせいと菜食をしているからだと思います。

先日、豚のスペアリブとチーズケーキを食べた翌日の大きい便りは、酸っぱい匂いがして、身体が酸化しているのを感じました。

恭子注:大きい便りで、内臓からの便りがわかります。

ある日、肉食をしたその夜、こわい夢をみて自分の唸り声で目が覚めたのですが、前夜の肉がとり憑いたかしら?と不気味でした。

恭子注:菜食にして血液がきれいになった状態で、肉をたくさん食べると、怖い夢を見るのです。私も経験しました。ちなみに、マクロビオティックを実行して血液がきれいになると、夢を見なくなります

動物性蛋白質信望者の夫には、週3〜4回肉料理を作っています。

恭子注:ご主人にお肉をこの程度食べさせるのも、妥協せよの面でとてもいいと私は思っています。

お土産に頂戴したお菓子は冷凍して日にちをかけて少しずつ頂いてます。捨てる気にはなれません。砂糖も甘さは不味く感じます。

玄米ご飯は、130回噛むと甘味と旨味が出てきて、これ以上のご馳走は他にはありません。100回だとまだ粒が残っていて甘みも足りません。気になるのは歯。大事に使って長持ちさせたいものです。

精進したり挫折したりの繰り返しですが、気長に横道に逸れても苛むことなく食事を楽しみたいものです。

玄米菜食や健康が目的ではない、もっと大いなるものに目を向けるように、との先生のお言葉を肝に銘じ、残りの人生を歩んで参りたいと思っております。

恭子注:素晴らしい方です!

この方のお母様は、102歳まで、ご自宅で健康のまま長生きされました。


私が受講生方に伝えたいことは、マクロビオティックを実行するのが人生の目的ではない、目先の病気を治すのが目的ではない、その先には真の健康が、そして、健康なやくざさんになっていてもしょうがないので、そのまた、健康の先にあるもの、ひととして仕合せになること、その大きなものをみていただきたい、と言っています。

実はこの受講生は、21年前からの受講生です。

そして、私の授業中のつれづれ話が人生の知恵でそれを聞きたいと言ってくださり、同じ授業の基礎科を7回ほど受講してくださいました。
一度は、ご高齢のお母様のために、外出があまりできなくなり、受講は中断なさいましたが、無事お母様を看取り、そして、ご主人のガンがきっかけで、また入室してくださったのです。ご主人は、手術後、もう7年お元気でいらっしゃいます。


ある日(9月)の献立

朝:梅生番茶

昼:玄米ご飯、みそ汁(若布、キャベツ)


夕:玄米ご飯、みそ汁(キャベツ、長芋、昆布)青のり、
玉ねぎ、じゃが芋、トマト、ささみのオリーブ油いため、厚揚げと昆布の醤油煮